小児矯正
子供の矯正治療について -乳歯と永久歯混合期の治療-
矯正治療4つのStep
Step1 歯並び相談(無料)
歯並びや顎の成長具合から矯正治療が必要かどうか、どのような治療になりそうか詳しくお話します。
Step2 資料とり・診断
歯型やレントゲンを撮り、治療計画をたてます。
治療期間や使う装置の説明をおこないます。
Step3 矯正の治療
矯正治療中に見つかった虫歯や歯周病の治療も当院にておこないます。
Step4 治療のおわり
子供の場合は生え変わり後も定期的にチェックをします。
大人の場合は2~3年程度の保定(後戻り予防)が必要です。
小児矯正のスタート時期について
子供の矯正相談の際に「いつ頃から始めたらよいですか?」という質問をよく受けます。顎骨の成長期に矯正治療をはじめるのが良いのですが、分かりやすい目安としては上下の前歯が永久歯に生え変わってくる時期です。
- 男の子 7歳~11歳、女の子 6歳~10歳
- 下顎 大人の前歯4本、上顎 大人の前歯2本の生えてきた頃
歪んでいたり、重なっていたり、おかしいな!?と感じたら矯正をはじめる時期とお考えください。
子供の矯正は顎の成長や歯の生え変わりを利用して、永久歯がまっすぐに生えるスペースを確保することができます。そのため、大人の矯正では歯を抜かざるを得ないようなケースでも小児矯正では歯を抜かずにすむことがほとんどです。
子供のころから矯正を始め、顎骨の成長を促し、永久歯の生えるスペースを確保することで、歯を抜かずに矯正できる可能性が高まります。当院では9割の患者さんが抜歯を回避しています。
相談をご希望のお母さんへ
以下のケースは顎骨の変形に移行しやすいため、早めの矯正相談・受診が必要です。
小児矯正の治療内容について
小児矯正は、顎骨のバランスや大きさを整えるⅠ期治療(発育のコントロール)と歯の位置を整えるⅡ期治療(個々の歯の整列)の2ステップに分けられます。
Ⅰ期治療
Ⅰ期治療は、顎骨がまだ柔らかく、これから成長していく時期だけにできる治療です。受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)など、骨格的な変形・不正に移行しやすいケースは、骨が柔らかい年齢から開始します。上下の顎のバランスや位置関係を改善する装置を使用します。
また、顎が小さく歯の生えるスペースが不足しているケースでは、そのまま放っておくと八重歯などの乱ぐい歯になってしまいます。顎を拡大する装置(多くは取り外し式のプレート装置)を使うことで永久歯がきれいに並ぶスペースを確保します。
このことでなるべく大人の歯を抜かないで歯並びを整えることができます。
Ⅰ期治療であごの骨を整え大人の歯がきちんと並ぶ土台ができるため、Ⅱ期治療は部分的な歯列矯正で済むケースがほとんどです。
Ⅱ期治療
Ⅰ期治療の結果、永久歯がきれいに並ぶスペースが確保できたら、適切な時期(永久小臼歯が出始める頃)まで待ってから、個々の歯を整列させます。
歯並びをきれいに整えるため、固定式の装置(ワイヤーの装置)で矯正治療をおこないます。
Ⅰ期治療で永久歯の萌出誘導がうまくすんだ場合は、Ⅱ期治療そのものが不要になるケースもあります。
装置について
T4Kなどのプレ矯正装置
不正咬合の原因の一つは頬や唇、舌といった口腔周囲筋のバランスの悪化です。口腔周囲筋を正しいバランスに戻し、正しい顎や筋肉の成長に導く事で歯並びの改善が望めます。混合歯列期前期から使用でき、就寝時と家にいる時1時間以上なので小学校低学年の子供にも導入しやすい装置です。
拡大床装置
取り外し式の装置です。真ん中の拡大ネジを回し、就寝時に装着することで、歯列に永久歯がきれいに並ぶスペースを作ります。また、上下顎の幅あわせにも有効です。
拡大床装置で上下顎の幅を整え永久歯のスペースを作った後、固定式装置(ワイヤーの装置)で個々の歯を整列させます。
バイオネーター
取り外し式の装置です。口の中のプラスチック床の真ん中に取り付けられた拡大ネジで装置の幅を調整し、筋肉の力を利用して下顎の成長を促します。前方への成長促進が主な目的ですが、横方向への拡大にも効果があります。
クワッドヘリクス
固定式の装置です。主に上顎を側方拡大する時に使用します。弱いバネの力で徐々に歯列を広げていきます。歯に固定しますので取り外しはできません。発音や食事の際の違和感は、装着後、約4~5日で無くなります。
マルチブラケット(ワイヤーの装置)
マルチブラケット装置は、ブラケット(溝という意味です)という小さな装置を歯に接着し、そこにワイヤーを通して、個々の歯並びを整えていく装置です。Ⅱ期治療時の最終段階に用います。子供の矯正の場合、清掃不良になりやすく虫歯を作ってしまいがちです。ですので、装着期間は短くする必要があります。
保定装置
歯並びと噛み合わせを整えた後に、これを安定化させるための装置です。
子供の矯正の場合、生え変わりが完了して歯列が安定するまで、しばらくの間歯を押さえて「後戻り」を防ぐ必要があります。
夜間に装着する取り外し式の保定装置や、歯の裏側に接着する固定式の保定装置など、様々なタイプがあります。また、T4Kなどのプレ矯正装置を保定装置として用いることがあります。
(写真は取り外し式です)
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重 要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで歯髄が障害を受けて失活することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物) などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えてい る骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
※以上は法令による掲載必須事項として日本矯正学会HPより抜粋