矯正歯科
ホーム > 診療内容 > 成人矯正

成人矯正

成人の矯正治療 -永久歯期の治療について-

スタート時期について

すでに歯や顎骨の成長が終わっているので、どのタイミングでも大丈夫です。
当院では、入学や引っ越しなど、生活の節目にスタートされる方が多いようです。
ただ、成人の場合、歯周病の悪化によって歯列不正になっているケースもあります。
この場合、時間の経過とともに歯列不正は強くなってきます。思い立ったら早めに矯正相談されるのが良いかもしれません。

大人の歯列矯正の大きな目的の一つは噛み合わせの改善と審美面(外見)の改善です。
子供の場合、周囲の希望で矯正を始める方が多く、子供のキャラクターによってはなかなか治療が進まないケースもみられます。
ですが、大人の場合は自分の意志で矯正を始めるため、歯磨きや装置の手入れなどにも気を配ることができ、口腔内が良い状態で、効率的かつ治療計画どおり治療が進むことが多いです。

治療内容について

成人矯正の特徴

成人矯正の主訴は多様性があります。

主訴

  1. 歯並びが悪い(歯列不正)
  2. 顎の強度の凹凸・顔が曲がっている(顎変形症)
  3. 顎が痛い(顎関節症)

また、矯正治療おこなう条件(社会的環境や口腔環境など)も様々です。

環境

  1. むし歯や歯周病が進行している
  2. すでに歯をいくつか失っている
  3. 転勤や卒業などで治療に期限がある
  4. 装置が目立ちたくない

このため、治療を始める際には費用や通院の条件以外に、より専門性の高い診療所を選択する必要があります。
また、顎の凹凸・顔が曲がっているケースでは外科手術を伴う症例もあります。他の医療機関(大学病院や口腔外科)などとの医療連携も大切です。
成人矯正の場合は他の歯科疾患への配慮も大切です。

成人の場合、矯正治療前に歯周病の診断や治療が必要と考えます。
歯周病の一大原因は磨き残したプラークで、矯正装置を装着すると口腔清掃は困難になります。
歯周病が進行した状態で矯正治療を開始すると、清掃状態はさらに悪くなり、歯周ポケットの悪化や歯の脱落を引き起こす危険性があります。

また、矯正治療で歯が動くことにより、隠れていたむし歯が見つかる事も多くあります。
その際は、その都度、充填治療など対処する必要があります。
当院では矯正治療と一般歯科治療を並行しておこなっております。矯正治療の完了を待つ必要はありません。

矯正治療の種類

Ⅰ 一般的な矯正(全顎矯正)

歯にワイヤーの装置を取り付け、優しい圧力をかけ、少しずつ歯を動かしていく最も一般的な矯正法です。ワイヤーの装置には金属のもの以外にも、目立ちにくい透明のプラスチックやセラミックで出来たものもあります。
全顎矯正では、装置を全体につけるため、奥歯の咬み合せや前歯の突出などを全ての改善が可能です。治療期間は2~3年です。

Ⅱ 部分矯正(MTM)

部分矯正の主な目的は、審美的な改善です。
すきっ歯や前歯に限ったガタガタなどの“見た目の改善”に適しています。
歯列全体の歯を動かさないため、全体の噛み合わせを改善・調整することができません。上下の奥歯がきちんと咬みあっている方が対象の矯正治療です。
キチンとした部分矯正を達成するには様々な条件があり、実際、最も難しい治療法と思われます。
ワイヤーの装置を用いるケースが多いですが、ワイヤーを使わないマウスピース型矯正装置(アソアライナー)も部分矯正に適しています。

  治せる範囲 期間 矯正費用 対象
一般的な矯正治療 歯列全体の歯並び 2~3年 70万円 全症例
部分矯正治療 前歯だけキレイにしたい 0.5~1年 10~30万円 限定的

抜歯と非抜歯について

歯は、親知らずを含めて全部で32本あります。どの歯も大切な歯ですし、患者さんにとっては歯を抜くのはためらわれることでしょう。矯正医も抜かないで矯正治療できるなら、と日々考えています。装置や治療法の研鑽がすすみ、非抜歯での治療ケースがふえて来ました。ですが、成人矯正の場合、顎骨の拡大・成長が望めない以上、歯を並べるスペースを作る手段として抜歯は有効な方法です。

矯正治療において、抜歯・非抜歯は大きな問題です。抜歯の基準として「顎骨と歯の大きさに不調和があり、それを治すために歯列弓の拡大に限界がある場合抜歯する」ありますが、各矯正医によって考え方も違い、抜歯の判断基準は様々です。
ただ、「どんなケースでも、絶対、抜かない」や「いや、絶対、抜く」というのは、極端な考え方と思います。

抜歯の基準は

  1. まず、非抜歯での矯正を優先的に考え
  2. 歯並びの改善だけでなく口元の突出も強く希望される場合で
  3. 歯を抜くメリットが勝っている場合にのみ
  4. さらに、患者さん自身の抜歯への思いや要望

以上をふまえ、抜歯を伴った矯正をおこなう判断をしています。

抜歯と非抜歯

装置について

マルチブラケット(ワイヤーの装置)

マルチブラケット装置は、ブラケット(溝という意味です)という小さな装置を歯に接着し、そこにワイヤーを通して、個々の歯並びを整えていく装置です。
ほとんどの症例に対応でき、多くの矯正歯科医院で使用されています。歯に直接ブラケットを接着させるダイレクトボンディング法を用いて表面に固定します。

クリッピー

マウスピース型矯正装置(アソアライナー)

アソアライナーは、透明で着脱可能なマウスピースの矯正装置で、ワイヤーを利用した矯正とは違い、食事や歯みがきの際は取り外しができるのが大きな特徴です。
前歯のガタガタ改善などの部分矯正に適しています。

>>マウスピース型矯正装置について詳しくはこちら

アソアライナー

矯正用インプラント

歯茎に小さなチタンのネジを埋め込み、歯を動かす固定源とします。
埋め込み手術は30分ほどで完了します。
また、ネジを逆回転することで簡単に摘出でします。インプラントを矯正治療に応用することで、自由な方向にスピーディーに力を発揮させることが可能となりました。

矯正用インプラント

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
  2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重 要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  4. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  7. ごくまれに歯を動かすことで歯髄が障害を受けて失活することがあります。
  8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物) などをやりなおす可能性があります。
  16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えてい る骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

※以上は法令による掲載必須事項として日本矯正学会HPより抜粋

ページトップ