歯周病治療

歯周病の治療方法

歯周病の治療法について

当院では、歯周病の病状や患者さんの状態(生活サイクルや性格など)を考えて、治療プランをつくり、抜歯や歯周外科手術などの外科的なアプローチとは異なる方法で歯周病の治療を行っています。

また、①ブラッシング指導歯石除去などの通常の歯周基本治療のほかに、②乳酸菌による歯周病治療歯周ポケット内へのレーザー治療高周波治療器でのジアテルミー治療を取り入れています。また、お口の中の内科疾患という考えから、嫌気性菌に有効なジスロマック(アジスロマイシン)などの抗生物質の処方もおこないます。

症状の進行度による歯周病治療の変遷

歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病の進行程度を問わず治療開始当初に必ず行う基本的かつ最も重要な治療であり、歯周病の治癒に大きく関わってきます。歯周基本治療には、ブラッシング指導(プラークコントロール)・歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)・咬合調整・暫間固定などがあります。

ブラッシング指導(プラークコントロール)

歯周病の原因であるプラーク(バイオフィルムまたは歯垢)をブラッシングにより除去することです。
プラークコントロールができなければ、どんな処置を行ったとしてもその効果は著しく低下し、歯周病の治癒は大変難しくなります。
このため、プラークコントロールは歯周病治療で最も重要な処置といえます。
また、他の処置と異なり、患者さん自身がご家庭でおこなうという特異的な処置ともいえます。このため、歯の磨き方だけではなく、個々に適した歯ブラシの選定・歯磨きモチベーションの維持法・食生活や生活サイクルのアドバイスなど、専門的かつ総合的なブラッシング指導が重要となってきます。

ブラッシング指導

当院では、通常の歯ブラシまたは音波歯ブラシ(フィリップス社 ソニケア等)と、補助的な清掃機具として歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使ってブラッシング指導をおこなっています。

フィリップス社 ソニケアについて

歯周病の進行程度や患者さんの技術度(器用さ)により、音波歯ブラシをお薦めする場合があります。現在、多くの電動歯ブラシがありますが、当院ではソニケアが最も優れた『家庭用の治療器』と考えています。

ソニケア

一般的な電動歯ブラシは毎分3000~10000”回転”といわれています。一方、ソニケアは毎分31000”振動”の音波エネルギーによって歯垢を除去できるという、他の電動歯ブラシとは異なる特長をもっています。

ブラシ部の高振幅および高周波数の動きによって力強い洗浄作用が生まれ、水流が隣接歯間や歯肉線の奥深くに届きます。また、音波エネルギーは、細胞や体液に作用して、血流促進、マッサージ効果もあります。

また、260Hzの音波により唾液中で生じた微少な泡が歯表面と衝突・破裂した際に強力なエネルギーを発生し、このエネルギーが歯周病菌の線毛を破壊します。これによって、歯周病菌は歯表面への付着ができなくなります。

歯周病菌

歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)

歯石はバイオフィルム(歯垢)が石灰化したものです。石灰化しているので無毒・無害なのですが、表面はざらざらでプラークが付着しやすい構造です。
また歯周ポケットを封鎖するため、ポケット内の酸素濃度を下げます。スケーリングとは超音波振動で歯石を除去する事ですが、同時にポケット内に粘り付くバイオフィルム(歯垢)を破壊し、ポケット内に酸素を送り込む作業でもあります。
定期的にスケーリングをしてポケット内の環境を整えることが定期健診の最大の目的です。

スケーリングの意義

乳酸菌による歯周病治療

歯石除去などの通常の歯周病治療のほかに、乳酸菌による歯周病治療を導入しています。
善玉菌で歯周病菌を抑えるプロバイオティクスの考え方に基づいたバクテリアセラピー治療を実践することで、抜歯や歯周外科手術などの外科的なアプローチとは異なる方法で歯周病の治療をおこなっています。

腸内には様々な悪玉菌が住んでいます。でも毎日腹痛にならないのは…腸内で乳酸菌に代表される善玉菌が、自ら武器(乳酸菌生産物質)を作り出し、腸の壁面を覆っている細菌の生息地(腸内フローラ)で悪玉菌よりも優勢になっているからです。
日々、乳酸菌は悪玉菌との陣取り合戦を勝ち抜いているのです。このような乳酸菌の効果を口腔内に取り入れたのが『乳酸菌ジェル歯磨き』です。

乳酸菌生産物質の応用 『乳酸菌ジェル歯磨き』

乳酸菌ジェル歯磨きの流れ

乳酸菌による歯周病治療では、乳酸菌生産物質を用いています。
その名前のとおり、乳酸菌やビフィズス菌が生産している物質のことです。
本来ならば、乳酸菌(生きた菌)を用いたいのですが、もともと自分の身体の中で発生・増殖したモノではない乳酸菌を口腔内へ取り込んでも、定着をする前に身体の外に排泄されてしまうからです。

乳酸菌生産物質には善玉菌を強化し善玉菌と悪玉菌のバランスを整える働きがあり、それと同時に、生みの親である善玉菌を増やす働きがあります。
乳酸菌生産物質を抽出した『乳酸菌ジェル』をブラッシング後の口腔内に塗りこむことで、悪玉菌(歯周病菌やカンジダ菌)を抑えて善玉菌(乳酸菌)を増やします。
口腔内のバクテリアバランスを整えることで、“菌”で“菌”を黙らせる自然派な治療。それが乳酸菌による歯周病治療です。

乳酸菌ジェル歯磨き

歯周ポケット内へのレーザー治療

炭酸ガスレーザーは人工的に作った赤外線を増幅・放射した光のことで、組織の水分によく吸収される特性があります。
吸収された光は熱にかわり、照射した部分の組織を焼く事ができます。このため、炭酸ガスレーザーは軟組織の処置に適しています。

炭酸ガスレーザーには、

  • Ⅰ レーザー照射時の発熱による「殺菌作用」
  • Ⅱ 組織を活性化し細胞の再生を促す「創傷治癒促進作用」
  • Ⅲ 高熱を与え炎症のある組織を選択的・瞬間的に気化・除去させる「蒸散作用」

があります。

炭酸ガスレーザー

歯周ポケット内に炭酸ガスレーザーを照射することにより、バイオフィルムを殺菌し、炎症で悪くなった組織の除去と組織の再生を促すことができます。
この「3つの作用」があるために歯周ポケットを素早く治すことができます。

高周波治療器でのジアテルミー治療

ジアテルミー治療

ジアテルミーとは、「透熱療法・温熱療法」と訳され、今日では高周波治療全般を意味します。
歯科用の高周波治療器で歯周ポケット内に通電と加熱をします。
通電と加熱は極々微細のため無麻酔下でおおないます。

  • Ⅰ 歯周ポケット内のバイオフィルムを高周波熱で滅菌
  • Ⅱ 炎症で悪くなった組織の除去
  • Ⅲ 微小電流による歯周組織の活性化

薬剤耐性菌も死滅させられるので、外科手術をせずに骨再生が得られる症例もあります。

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